現在オーストラリアに住んでいる我が家は子ども達が2ヶ月間長期休暇だったこともあり久しぶりの更新となってしまったため、
今日は「好きを仕事にしたい」人に向けて「好きを仕事に出来た」私の経験をお話します。
文学部卒業、ファッションが大好きでも専門知識ゼロだった私が
銀行を辞めた1年後、大手アパレルのデザイナーとして就職したお話です。
人生を導いてくれている両親の言葉
私の人生に影響したと思っている両親の言葉が3つあります。
父の言葉
- 大学生は時間をお金で買っているのだから、バイトより勉強した方が良い。
- 仕事をしている時間が一番長いのだから好きなことを仕事に出来たら本当に幸せなこと。
母の言葉
- 自分を向上させていれば、周りの人にも恵まれて、自分に見合った人と出会うことが出来る
子どもの頃は何となく聞き流してきた両親の言葉が私の人生を導いてくれました。
大学卒業・新卒で都市銀行へ
大学は文学部、4年生になって周りの流れに乗って就職活動をし、銀行に就職しました。
子どもの頃からずっと洋服、デザイン、製作作業が好きだったので、ファッション業界の会社説明会も一通り参加しました。
しかし、デザインの専門的な勉強をしてきていない私が受けることが出来る職種はもちろん販売職。
今となっては販売職の奥の深さ、重要さがわかりますが、当時の私はファッションやデザインは趣味として楽しみ、仕事はお金を稼ぐための手段と割り切ろうと思ったのです。
社会人になって感じた恐怖
社会人1年目、銀行員生活開始。
事務作業や窓口でのお客様対応も嫌いではありませんでした。
仕事の飲み込みも早かったはず(と自分では思っていますがどうでしょう・・・真相はわからず)
しかし、新生活に慣れた頃、繰り返される毎日に恐怖を感じたのです。
学生時代は、ただ無難に毎日を過ごしていても、定期的に長期休みがあり、春休みを終えると自然に次の学年へというように、流れに身を任せていればだんだんステージが変わっていくけれど、
社会人は自分から行動を起こさなければ、3年後も5年後も今と同じ毎日が続くのだということに。
繰り返される毎日
デザインやファッションは趣味として退社後に取り組もうなどと甘く考えていましたが、社会人1年目の私にそんな余裕はありませんでした。
毎日出勤して猛烈に仕事をし、疲れて帰宅してまた翌朝出勤するという日々に楽しみを見いだせなくなってしまった私は
人生で一番長い時間を費やす仕事が楽しくないなんてもったいない!と1年で銀行を辞める決意をしました。
1年で銀行を辞めると言っても、次の仕事はどうするのかはその時点では未定、専門知識が無い状態ではデザイナー職に就けないことは新卒の時と同じ。
専門知識が無くても受けられるウエディング業界やインテリア業界など色々調べて説明会へ足を運んだりもしましたが
- 結局接客業からの始まり
- 土日勤務
- シフト制
など、自分が求めている内容で無いところが多く応募に至りりませんでした。
ファッションデザイン専門学校へ
社会人1年目の冬、やはり専門的な知識を身につけなければ私が求めているクリエイティブ職には就けない!というリサーチ結果にたどり着き、ファッションを学ぶことを決意。
当時はまだ23歳、今考えれば時間はたっぷりあったのですが、一度社会人になってから再度学び直すのに何年もかけたくないというせっかちな私は1年でみっちりファッションデザインを基礎から学べる専門学校に入ることにしました。
就職難の時代に勝ち取った銀行への就職を1年で辞めてしまうことに、ネガティブな意見もありましたが、両親だけは全く反対することなく応援してくれたことは今でも感謝しています。
社会人1年目の3月、丸一年で銀行を退社、4月からファッションデザインの専門学校へ、渋谷まで通い始めました。
社会人を一度経験した後の学生生活、好きなこをと学ぶ日々は楽しすぎて、人生で一番勉強した1年でした。
ファッション業界への就職活動
ファッションが好きという気持ちは誰にも負けないものの、専門的に学んだことは無い私は知識ゼロからのスタートでしたが、
1年で学べるその学校はすでに専門学校で3年勉強した後に更に学ぶために来ている人や、一度ファッション業界でデザイナーの仕事をすでにしたことがある人など、経験者の方が多いクラス。
デザイン画の描き方やパターンの引き方など、周りの人がとても上手で圧倒された気持ちになったものです。
それでも絶対に1年後、デザイナーとして就職する!という目標があったので、入学して2ヶ月経った6月から就職活動を開始しました。
とは言ってもまだファッションを学び始めて2ヶ月、デザイン画もままならない状態でしたが、来春に向けて新卒採用が始まるタイミングでスタートを切りました。
デザイナー応募資格無視⁉
デザイナーの募集資格には
「来年3月時点でデザイン専門学校3年以上履修者」という制約があり、1年で学ぼうとしている私は応募資格から外れていましたが、エントリーを開始、面接を受け始めました。
応募資格が当てはまらないからという理由でエントリーを諦めていたら一社もデザイナー職の試験を受けられる会社はありませんでした。
入学したばかりで、周りには就職活動を始めるという空気は全く無く、6月の時点で来春の就職について動き始めた人もいませんでした。
大学生の時に一度一般的な就職活動を経験していたことで、動き方や情報収集の仕方、就職活動への向き合い方をわかっていたので行動に移すことができたと思います。
一度銀行員として就職したことが無駄になっていないことを感じた時でした。
デザイナー就職試験
大学生の時に経験したような就職試験の面談とは異なり、リクルートスーツを着ることも無く、そうは言っても就職試験、どこまで私服で良いのか迷ったり、試行錯誤は続きました。
ファッションについて学び始めて2ヶ月の知識量と技術で提出したデザイン画はどんなに酷かったことかと今となっては思います。
集団面接では他の有名服飾専門学校の4年生という人の知識量に圧倒され、そんなことも知らないのか⁉と打ちのめされてベッドで泣いた夜もありました。
デザイナー内定までの流れ
学校の授業と毎日夜中までかかる課題に取り組みながら就職活動を続けていた8月頃、当時全盛期だった大手アパレルメーカーの募集が始まりました。
膨大な量のエントリーシートとデザイン画の提出があり、
すでに2ヶ月他社のデザイナー試験で打ちのめされていたこともあり、こんな大変な提出物を用意してもどうせ受からないから受けるのをやめようかな~とダイニングのテーブルで書類を広げながらキッチンで夕飯の支度をする母に弱音を吐いたのを覚えています。
母の具体的な言葉は思い出せないのですが「受けてみなきゃわからないから、とりあえず出すだけだしてみれば?」というようなことを言ってくれたことで、一応提出してみるかと思い直し、何日かかけて提出物を仕上げました。
それが来春にデザイナーとして就職することになるアパレルメーカーとのご縁の始まりでした。
その後、筆記試験、面接を経て10月、封書でデザイナーとしてお迎えしたいと思うという内容の通知を受け取ったのです。
その時の震えあがるような嬉しい気持ちは今でも忘れられません。
一度社会人を経験してから再度学生に戻ったことで、勉強出来ることのありがたさを実感し、ハードな課題も深夜までの勉強も全く苦でなかったし、
就職活動の面接では銀行員を経験したからこそ好きな事を仕事にしたいという想いを伝えることが出来、
礼儀や対応の面でも大学生の頃より厚みが出たと思います。
銀行員1年、デザイン専門学校1年と合計2年、同期達より出遅れてしまいましたが無駄になる経験は無いと改めて思い知らされました。
ファッションデザイン科の中で、卒業時点でデザイナーとしての就職先が決まっていたのは私ともう一人でした。
「好きを仕事に」する雑誌から取材を受けたのもこの卒業前です。
夢のデザイナーに
デザイナーとして就職してからは、新人下っ端のため、もちろん最初からデザインをさせてもらえるわけではありませんでしたが
一日中ファッション誌を見てブランドの季節テーマに合ったコラージュを作るとか、Tシャツのロゴを考えるとか、
服のことを一日中考えていて良いなんて、本当に幸せで、これでお金をもらって良いのかしら⁉と思ってしまう毎日でした。
夢のデザイナーとしての就職を目前に控えた3月、当時お付き合いしていた今の夫がサウジアラビアへ転勤になり・・・
と、この後、私が起業し今に至るまでのストーリーはまだまだ続くのですが、銀行員からデザイナーになるまでのお話はここまで。
銀行員からファッションデザイナーになった私の心得まとめ
文学部卒業、ファッションが大好きでも専門知識ゼロだった私が1年で大手アパレルのデザイナーとして就職できた時の心得はその後の人生にも活きています。
1.思い立ったらすぐに行動に移すこと
夢を持っている人はたくさんいるけれど、実現出来るかは行動に移しているかどうか次第だということを忘れずに。
来年からやろう、引っ越ししたらやろう、もう少し勉強してからやろう・・・「●●してから」と思って先延ばしにしていることは実現しないことが多いよ。
2.学んだことは実践すること
新しい知識や技術を身に着けても、それで終わってしまっては勿体ない。インプットしたことはアウトプットしてみて。
たくさん知識を持っているのに、活かせていなかったら宝の持ち腐れになってしまうから。
3.チャレンジしてみること
自分には無理と諦めず、まずはどんなことでもチャレンジしてみる。チャレンジしなければ無理だけど、チャレンジすると可能性は0では無くなるよ。
4.諦めないこと
チャレンジしていると、辛くなる時があるけれど、その山を乗り越えると思い描く自分に一歩近づくよ。
5.継続すること
すぐに結果が出なくて当たり前。継続することが何よりも自分の力になって戻ってくる。
6.無駄になる経験は無い
遠回りしてしまうことがあっても、あとで振り返ると自分にとって必要な時間だったと気付ける時がくるはず。
7.遅すぎるスタートは無い
新しいことを始めるのに遅すぎることは無い!例え周りと比べてスタートが遅かったとしても、その分他の経験を積んでいる自分は、他には無いものを持っているはず。
好きを仕事に出来る人が一人でも増えますように!
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